ISBN | 978-4-87571-896-3 |
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書籍コード | 896 |
判型 | 四六上製 |
頁数 | 168 |
定価 | 3,300円(税込) |
刊行年 | 2025年1月20日 |
アイルランドの詩人・劇作家であるイェイツは、能楽や俳句、浮世絵などの日本文化に強い興味を示し、それらを取り入れた作家でもある。ネイション意識が問われる独立期に彼はなぜ日本文化に興味を抱き、そして何を見出したのか。本書は彼の日本文化の受容とネイション意識に迫りながらも、同時に彼を語る上で見えていなかった深層部分を読み解こうとするものである。特に従来見過ごされてきた野口米次郎ことヨネ・ノグチの影響、そして彼独自のキリスト教思想や哲学思想、神秘主義思想に焦点をあてながら、彼が日本文化と向かい合い、思索を深める過程に迫る。
目次
◆第一部:イェイツと浮世絵◆
第1章 雪と炎の“simplicity” ― ヨネ・ノグチ(野口米次郎)の『広重』を W. B. イェイツはどう読んだのか ―
1.どこに惹かれた?
2.ノグチの『広重』
3.“simplicity through intensity”
4.まとめ
◆第二部:イェイツと能楽◆
第2章 共に罪深き我らのために― W. B. イェイツの『骨の夢』における
幽霊と若者を結ぶもの ―
1.『骨の夢』とは
2.『骨の夢』の幽霊はなぜ登場したのか
3.第1草稿:疑似親子関係と抵抗歌
4.第2草稿以降:若者の人物造形とペトロの裏切り
5.若者の祈りと煉獄の死者たち
6.まとめ
第3章 民族主義者か超人か― W. B. イェイツのイスカリオテのユダ観とその変遷―
1.文学者を惹きつけるユダとイェイツの『カルヴァリ』
2.民族主義者としてのユダ
3.超人としてのユダ
4.ユダと自動筆記
5.ユダと『ヴィジョン』の月の諸相
6.重なり合うユダとキリスト
7.“War between Race and
Individuality”
8.まとめ
◆第三部:イェイツと俳句◆
第4章 イェイツの「日本の詩歌を真似て」と小林一茶の哲学
1.「日本の詩歌を真似て」は何を真似た?
2.小林一茶の「 荒凡夫」の哲学
3.悲劇的な笑いと自己戯画化
4.いくつもの螺旋とポリフォニー
5.まとめ
主要参考文献
あとがき
索引