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話題書

英語の発信力を磨く異文化理解の視点―ダイバシティマネジメントの視点からの日本のいまとこれから鷲 直仁/鈴木邦成 著    ●●●2024年1月刊行予定●●●

  • 英語の発信力を磨く表1(簡易)カラー
  • ISBN 978-4-87571-893-2
    書籍コード 893
    判型 46判 並製
    定価 1,540円(税込)

はじめに


 AI(人工知能)が世界の将来を変えるであろうと言われる現在、

日本人が世界の異文化を理解するということは、何を意味するの

であろうか。

 キーワードを打ち込むだけで、優秀な解答を示してくれるAI

は、ヒトが学習するということの意味を一変させた。これまでに

もすでに、優れた検索エンジンの登場により、年代の丸暗記が疑

問視されていた。つまり、これまで日本の受験で必要とされてき

た知識の集積は、PC(パソコン)が、一瞬で答えてくれる程度

のものである。その時からさらに技術は進化し、生成AI によ

り、人間にしかできないと思われていた、ヒトの心を動かすよう

な作文さえ登場するようになった。また、海外に行ったことなど

なくても、さもその国を旅行したような文章を作成することな

ど、このテクノロジーによって簡単なこととなってしまった。

 異文化を体験しながら、その理解をするというヒトにとって最

も大切なことが、疑似体験で済んでしまう世の中になったことが

わかる。だからこそ、今、改めて、異文化を理解するための本を

上梓した。

 私は国内・海外を問わず、訪れた土地で、そこの人々に出会

い、その土地の景色を、直接、見ることによって獲得した体験

が、自分の心の中の多くの部分が作られているように感じてい

る。それは何なのだろうか。それは例えば「実体験による恥の集

積」であるかもしれない。AI は、恥を恥と感じないであろうし、

何を恥と思うかは、かなり個人差があるはずである。それがヒト

なのである。体験のズレといってもよい。

 一生懸命勉強してきた英語が英語圏で通じなくて恥をかく。日

本で常識であったことが、全く違ってとまどう。この試行錯誤

が、私を旅に導き、価値観を変えてきた。そして、その変化した

価値観に賛同してくれる友・他者をその都度得てきた。話が飛躍

するが、「猥褻」や「排泄」に関する動揺も自分でしか体験でき

ない。

 本書が多くの英語学習者にとって、今、異文化理解とは何かと

いうことを再考していただく一助となれば幸いである。

目  次


はじめに

 

1 章 スポーツから得る異文化理解 

1.はじめに

2.日本独特のスポーツと部活動、そして欧米文化との比較 

3.部活動の顧問の立場というものについて 

4.まとめ 

5.最後に 

参考文献

 

2 章 日本社会のグローバル化によるビジネス言語の変化 

1.はじめに 

2.高度成長時代・安定成長期のコミュニケーション言語 

3.海外進出における日本式経営の実践 

4.中国生産へのシフト 

5.英語教育から日本語教育へ 

6.日本語教育の伸びしろ 

7.人間以外の日本語の話者 

8.結びに代えて 

参考文献 

 

3 章 御木本隆三の異文化理解

―美術批評家ジョン・ラスキンの思想に接して― 

1.はじめに 

2.隆三の略歴、および彼のラスキン研究、ラスキン文庫 

3.隆三のラスキン思想との出会い、その研究および出版活動 

4.隆三の東京ラスキン協会および東京ラスキン文庫の活動 

5.まとめ 

6.最後に 

参考文献 

 

4 章 アンリ・ジョミニに見るロジスティクス思考の萌芽 

1.はじめに 

2.ジョミニのロジスティクス思考 

3.ロジスティクスからSCM  

4.ジョミニの生涯 

5.ジョミニの基本原理 

6.ジョミニのロジスティクス論 

7.ジョミニの倉庫論 

8.結びに代えて 

参考文献 

あとがきに代えて―異文化理解の壁の向こうを覗きながら― 

 

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