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ホーソーン文学への誘い―ロマンスの磁場と平衡感覚高橋利明 著

  • 888 ホーソーン文学への誘い
  • ISBN 978-4-87571-888-8
    書籍コード 888
    判型 46判 上製
    頁数 252
    定価 3,190円(税込)
    刊行年 2022年10月20日

ホーソーン文学の魅力は、弱者への作家の深い共感(シンパシー)という磁力(マグネティズム)が生み出す空間としての「ロマンスの磁場」にある。作中人物を見つめる本質的に温かい作家の共感的な眼差しは、D.H. ローレンスの言うアメリカ的な「土地の霊」としてのロマンスの磁場を形成している。そして、その磁場は「雪人形」の生命(いのち)の庭に、へスターの立つ「処刑台」に、「七破風の屋敷」に、「ブライズデイル」に、そして「イタリア」に生まれる。さらにそれは、「りんご売りの老人」の「精神の美しい絵(モラル・ピクチャレスク)」に生まれ、ウェイクフィールドの幻想的な身体性の中に喚起され、「予言の肖像画」に発動し、そして、アーネストと偉大なる岩の顔の眼差しが作り出す崇高なる空間に生起するのである。これらの「磁場」は、すべて作家の共感(シンパシー)によって生み出されるのであるが、その温かい眼差しの原点には、J. キーツの言う「消極的能力」があるように思われる。判断を急がずに曖昧性に耐えているようなホーソーンの文体は、作家の平衡感覚に貫かれているのである。

ホーソーン文学への誘い

序 章  ロマンスの磁場と「土地の霊」   

第一章  「雪人形」の生命の庭の磁場   

第二章  「処刑台」の磁場   

       ―『緋文字』の「周縁」的想像力

第三章  「七破風の屋敷」の磁場   

       「炉辺」と「鉄道」の楕円幻想

第四章  「ブライズデイル」の磁場(一)   

       カヴァデイルの「ナンセンス」の功罪をめぐって

第五章  「ブライズデイル」の磁場(二)   

       ゼノビアの「情熱的な愛」について

第六章  「イタリア」の磁場   

       『大理石の牧神』の見出されたエデンをめぐって

第七章  ホーソーンにとって「精神の美しい絵」とは何か   

       「りんご売りの老人」と〈美的コントラスト〉

第八章  ウェイクフィールドの「新しい鬘」   

       身体の幻想/幻想の身体

第九章  眼差しと呪縛   

       「予言の肖像画」の磁場

第十章  眼差しの美学   

       偉大なる岩の顔とアーネストの「崇高」について


あとがき 

初出一覧 

参考文献 

索引 

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