
| ISBN | 978-4-87571-583-2 |
|---|---|
| 書籍コード | 583 |
| 定価 | 5,060円(税込) |
| 刊行年 | 2008年12月10日 |
中世ヨーロッパの古典の伝統を英国に移植しえた創造的詩人。
ある意味で、チョーサーは「影」の実体を描き切った人間だったのかもしれない。彼は「壁に映し出された人間の影」に<時の流れの空しさ>とか、健全だとおぼしき人間に宿る<正常さと馬鹿馬鹿しさの混合>を見ていたからである。ともすれば、われわれは光のあたっている部分に目を向けがちである。だが、詩人は「影」の部分から「眼」を離さなかった。(序論より)
目 次
序論
第 I部
第1章 Chaucerにおけるdualismの意識
──“one” と “many”をめぐって
第2章 “A preve by experience”(HF, II.873) :
Chaucerに見る<権威>と<経験>
第3章 Chaucerにおける orality
──フォーク・カルチャーの視点から
第4章 Chaucer 批評における<伝統>と<創造>
──D. S. Brewer の批評法
第II部
第1章 「場」としての<庭園>の意義をめぐって
──Boccaccio からChaucerへ
第2章 “the craft so long to lerne” : The Parliament of Fowls
における<愛>と<芸術>の主題
第3章 “What thyng is that?” : Troilus and Criseyde に
おける<話し言葉>の役割とその効果
第4章 Chaucer の “mutability”のトポスについて
──Troilus とBoethiusを中心に
第Ⅲ部
第1章 “tempus” と “aeternitas” : The Knight’s Taleに
おけるChaucerの<時間>の意識
第2章 “This worldes transmutacioun” : The Knight’s Tale
における<場>(loci )の意義をめぐって
第3章 Chaucerのナラティヴ・ゲーム
──<喜劇的物語>を中心にして
第4章 The Canterbury Talesのいわゆる宗教的物語に
見られる<喜劇性>
第5章 The Reeve’s Taleにおける“wheel”のモチーフ
第6章 The Shipman’s Taleにおけるドライ・アイロニー
第7章 “blynde prosperitee” : The Monk’s Taleにおける
<悲劇>の意味
Geoffrey Chaucer(ジェフリー・チョーサー)年譜
参考文献
あとがき
索 引