詳細

ホーム > 詳細情報

☞ ★ N E W ★ ☜ 〈❚新刊・話題書❚〉
十三世紀東西交流史研究
海老澤哲雄 著

有史以来、永くユーラシアの東西間には交流が乏しく、互いに相手方の情報を持ち合わせていなかった。ところが十三世紀に到ってアジアにモンゴル国が生まれると、その軍は東欧に深く攻め入り、西欧にも大きな衝撃を与えた。それを機にローマ教皇・フランス王のもとから東方のモンゴル側へ幾組かの使節が派遣され、モンゴル側の文書をはじめ、貴重な情報が西欧にもたらされた。本書では、その使節の報告書、モンゴル側の対外文書、モンゴル官人と教皇使節の交渉をとりあげ、あわせて自称モンゴル使節文書の真偽問題、および小アジアの一属国の対宗主国モンゴル関係を考察する。十三世紀のモンゴル・西欧関係の深層に迫ろうとする長年にわたる著者の貴重な研究成果であり、世に残していきたい一書である。

ISBN 978-4-87571-884-0
判 型 A5判 上製
頁数 374ページ
定 価 4,180円(税込)
刊行年 2022年5月



目 次
 まえがき
第一章 十三世紀のモンゴルと西欧──総説
  はじめに
 (一) モンゴルは何者か
 (二) モンゴル軍は西欧を襲うか
 (三) モンゴルはキリスト教国か
 (四) イル=カン国は「聖地」回復を企てるか
 (五) 元朝皇帝は教皇に敬意を表するか
 (六) プレスター=ジョンは発見できたか
  おわりに
第二章 教皇使節カルピニ修道士とモンゴルの対外姿勢
  はじめに
 (一) カルピニ修道士のモンゴル事前情報
 (二) カルピニ修道士の旅行と使節受入れ態勢
 (三) モンゴルの対外関係と外国使節
  おわりに
第三章 カルピニ『モンゴル報告書』とブリディア『タルタル報告書』 
  はじめに
 (一) ブリディア『タルタル報告書』における情報源
 (二) カルピニ『モンゴル報告書』における情報源
 (三) カルピニ『モンゴル報告書』とブリディア『タルタル報告書』におけるモンゴル人観
 (四) ブリディア『タルタル報告書』前半部の構成
 (五) カルピニ『モンゴル報告書』第五章の構成
      ──ブリディア『タルタル報告書』前半部との比較
  おわりに
 附 カルピニ『モンゴル報告書』の第一次本と第二次本
 はじめに
 おわりに
第四章 グユクの教皇あて返書──ラテン語訳とペルシア語訳
  はじめに
 (一) ラテン語訳とペルシア語訳
 (二) ラテン語訳とペルシア語訳の主な相違点とその考察
  おわりに
第五章 グユクの教皇あて返書と教皇書簡
  はじめに
 (一) 「服属」と「和平」
 (二) 教皇の東ヨーロッパ侵寇非難への反論
 (三) 改宗問題
  おわりに
 附 教皇書簡二通
第六章 教皇使節の対モンゴル官人交渉──シモン修道士の報告書より
  はじめに
 (一) 教皇使節アスケリヌス修道士とモンゴル側官人との交渉記録
 (二) 教皇使節のモンゴル側官人との交渉姿勢
 (三) モンゴル側官人の教皇使節に対する「死刑宣告」
 (四) 教皇使節とモンゴル側官人との非公式接触
  おわりに
第七章 モンゴル官人バイジュの教皇あて返書
  はじめに
 (一) バイジュの返書とグユクの返書
 (二) バイジュの返書と附属文書
  おわりに
第八章 モンゴルの対外文書「神の命」──教皇・ルイ王あての文書三篇
  はじめに
 (一) 「神の命」類の文書三種
 (二) 「神の命」類文書三種における文言の比較
 (三) 同時代の記録に見る「神の命」由来の文言
  おわりに
第九章 続モンゴルの対外文書「神の命」
  はじめに
 (一) モンケ書簡に関するペリオの解釈
 (二) 「神の命」成立の背景
 (三) 「神の命」とモンケ第二文書・フレグ第二文書
  おわりに
第十章 自称モンゴル使節のルイ九世あて書簡
  はじめに
 (一) ルイ王あて書簡の内容
 (二) 本「書簡」=本もの説の疑問点
 (三) 本書簡の主旨とその背景
 (四) 「キオカイ」とグユク=カン
 (五) 本書簡の作成者と「使節」の出自
 (六) モンゴルとアジア=キリスト教徒と西欧
  おわりに
第十一章 キリキア=アルメニア王国の対モンゴル関係
  はじめに
 (一) キリキア=アルメニア王国の諸負担
 (二) スムバットのグユク=カン訪問
 (三) スムバットのキプロス王あて書簡
 (四) 国王ヘトゥム一世のモンケ訪問
 (五) キリキア=アルメニア王国とマムルーク朝とイル=カン国
  おわりに
 附 スムバットのキプロス王あて書簡(一二四七年)
 初出誌一覧
 あとがき